第2章 技術とは、委ねることだった

打ちにいかない。

操作しない。

振ろうとしない。

PROTO+カウンターのクラブは、

それができないと、機能しない。

軽いクラブなら、

手で合わせて、なんとなく打つこともできる。

でも、PROTOは動かせない。

カウンターが100g入っていれば、なおさらだ。

だからこそ、

“自分”をやめなければ打てない。

手を止めて、

重さに委ねるしかない。

すると──

しなる。

戻る。

芯に集まる。

「自分が打った」わけではない。

クラブが、勝手に戻っただけ。

本体が、回っただけ。

それでも、当たっている。

まっすぐ飛んでいる。

ミスにならない。

これが、「委ねるという技術」だった。

技術とは、

“うまく操作すること”じゃなかった。

“操作しないための理解”と

“委ねるための構造”が、

再現性という形で答えをくれる。

技術とは──

クラブを信じること。

構造に従うこと。

余計なことをしない強さを持つこと。

PROTOは、それを教えてくれる。

重さは、委ねるためにある。

しなりは、戻るためにある。

そして、

あなたは手放した分だけ、整っていく。

▽ 前回(第1章):操作しないという技術

次回(第3章):なぜ、委ねられないのか?


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