第1章 操作しないという技術

クラブを振れないようにしている。

重くして、動かせないようにしている。

なぜか?

手が出なくなれば、クラブは整うから。

操作できなくなったとき、

ようやく本体が働きはじめる。

しなる。戻る。芯に集まる。

まっすぐ動く。曲がらない。

それは、技術じゃなくて、構造の話。

でも、

その構造に“委ねられるか”どうかが、

本当の意味での「技術」なのかもしれない。

振らないこと。

操作しないこと。

それでも当たる構造に、

身を預けられるか。

重さを受け入れたとき、

クラブは“戻り始める”。

──じゃあ、

技術って、なんだろう?


カテゴリー